今回は、1台で4つの姿勢をサポートする新しい介護用ベッドをご紹介します。
一般的な介護用ベッドは、
1.寝姿勢(ベッドポジション)
2.ベッド上座位姿勢(リクライニングポジション)
の2つの姿勢を作ります。
しかし、この新しいベッドは
3.座位姿勢(シーティングポジション)
4.立ち上がり姿勢(スタンディングポジション)
の4つの姿勢をサポートする機能が備わっています。
それぞれどのような役割があるのでしょうか?
1.寝姿勢(ベッドポジション)
就寝時やベッド上で身体を休める時は、この状態で過ごしていただきます。
背もたれは、平らな状態から少しずつ傾斜をつけることが可能です。
2.ベッド上座位姿勢(リクライニングポジション)
背もたれがリクライニングします。
これにはどのような利点があるのでしょうか?
①起立性低血圧を予防する
起立性低血圧とは、ベッドから急に起き上がった時に血圧が下がる状態のことをいいます。
朝ベッドから起き上がったらめまいがした、という経験はないでしょうか?
このリクライニング機能があれば、体を緩やかに起こし、血圧が下がることなく安全に起き上がることができます。
当院のリハビリテーションでも、急激に血圧が低下しやすい患者様は、体をゆっくり起こし状態を慣らす練習を行います。
②腰痛などの痛みを軽減する
常に寝姿勢の状態でいると、腰などの体の部位が痛くなることもあります。
ご自身で起き上がるのが難しい方でも、ボタン一つで体を起こすことができ、楽な姿勢をとることができます。
③食事姿勢を保持する
ご自宅での介護等で、椅子や車椅子に乗ることが難しい場合があります。
リクライニング姿勢での食事は、食事が摂りやすくなり、なにより誤嚥(飲食物が食道ではなく、誤って気管に入ってしまうこと)を防ぐことができます。
3.座位姿勢(シーティングポジション)
リクライニング姿勢からさらにボタンを押して動かしていくと、背もたれの角度が上がり、足元のマットが折れ曲がります。
そのため、写真のように足を下ろして座る姿勢をサポートすることができます。(椅子に座っている様な状態)
一般的な介護用ベッドにはない機能ですが、どのような効果があるのでしょうか?
①起き上がりが楽になる
腰を圧迫骨折した方は、コルセットを着用し体をねじることが制限されたり、ねじると痛みが出るため、寝姿勢から起き上がるのがとても難しくなります。
この姿勢であれば、楽に座位姿勢をとることができます。
②食事が安全に摂れる
リクライニング姿勢と比較して、座位姿勢ではさらに食事時の誤嚥リスクが軽減できます。
③座る練習になる
病気や後遺症で座ることが難しい方は、寝たきり姿勢が多くなります。
また、骨折や血圧の問題で、ベッドから起き上がると負担が大きい場合があります。
寝姿勢から徐々に座位姿勢に移行できるため、体への負担を少なし、座ることができます。
4.立ち上がり姿勢(スタンディングポジション)
座位姿勢からさらに背もたれが前傾します。
また座面の高さが上がり、立ち上がりやすくなることで、車椅子への乗り移りを楽に行うことができます。
立ち上がりがしやすい姿勢ということは、
①体が大きい方や介助量が重い方でも楽に乗り移り介助ができる・介護の負担が軽減できる
②立ち上がる練習になる。そのまま杖や歩行器で歩くことができる
③ボタン操作すれば自力で立ち上がることができる。自信につながる
などの利点がたくさんあります。
「寝ている方を起こし→座ってもらう→立ってもらう→車椅子やポータブルトイレに移ってもらう」
という一連の動作は、介護者にとって多大な労力を伴います。
やはり、「立ち上がりやすい」ということで、介護者の負担をかなり軽減することができます。
ボタン一つでベッドのポジションを選択する事ができるため、ご自身でも簡単に姿勢を変える事ができる便利なベッドです。
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