当院では『絶対に見捨てないプロジェクト』の一環として身体抑制を廃止する取り組みを行っています。
1.身体抑制とは
危険行為に対し、身体を拘束し、行動を制限することです。
2.身体拘束がもたらす弊害
①身体的弊害
・関節の拘縮や筋力低下などの身体機能の低下
・食欲低下など
②精神的弊害
・不安、怒り、屈辱や人間としての尊厳をも侵す
・認知機能低下やせん妄
・家族にとっては精神的苦痛、罪悪感
③社会的弊害
・心身機能の低下によるQOLの低下
・スタッフのモチベーションの低下
3.身体抑制廃止への取り組み
当院では身体拘束の弊害をしっかり認識し、廃止に向け多職種で何度も議論しています。
①スタッフ全員で助け合える体制づくり
・スタッフ間で問題意識を共有し、危険行為の原因を分析し未然に防止するために、個々に合わせた具体的な対策を検討しています。
②安全な環境づくり
・転倒転落などの事故が起きにくい環境を作るために、ベットの高さを低くし、足元に手すりなどを設置しています。
③生活リズムの調整
・基本的なケア(起きる、食べる、排泄する、清潔にする、活動する)を十分に行い、健康体操やレクリエーションを実施しています。
★身体抑制廃止は、患者さんの自立と機能回復を支援する重要な取り組みにも繋がり、上記を組み合わせることで、より効果的なケアが実現できます。